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僕らをより良く「騙す」ために仕組まれた5つの音とは?

普段耳にする音の数々。
そらはさも自然に鳴り響いているようですが実は色々考えられて創られており、それはもはや作曲のレベルにすら達しているという。

以下、具体的に見てみましょう。
みんなが知らず知らずに聞いている 5つの「嘘の音」

静かな生活がしたい・・・なんて時には思ってしまうほど、誰かの話し声・足音、車や電車の動く音、電化製品のノイズ...日々の生活はあまりに「音」に溢れています。

でも、そのなかのいくつかは「戦略的に」より快適に生活できるようにデザイナーやエンジニアによって人工的に生成されているものがあるそうです。

1. 車のドアの「ガチャン」という音


fake_sounds_design-01車のドアは基本的に空洞を内部に持つ構造になっています。

注意深くデザインしないと内部機構の不具合を音として不快に増幅してしまうし、然るべき「ガチャン」という音がドアを閉めたときにしないと顧客が「閉まった?」と不安に覚え、車そのものに疑念を感じてしまうそうです。

なので、車メーカーはドアが理想的な音を出すように

・不安や脆弱性を感じる高い周波数の音を抑え
・安心感や堅牢性を得る低い周波数の音を増幅する

ように設計しています。ドアが閉まるまでの時間は平均1.8秒ですが、その短い楽曲は「ガシッ」とした感じを得られるようにエンジニアやデザイナーによって作曲されています。


2. 電気自動車の「ブーン」という音


ドアの音は「安心っぽい感じ」のためですが、電気自動車のノイズは具体的に「安全」のためにあります。

EUではまだ法律になっていませんが、ほとんど音を出さないこの静かな乗り物がお互いにぶつかったりしないように最低限の人工音を鳴らすことがいま求められています。

日産リーフは、エンジンノイズを出すために、ボンネットの下にスピーカー、そしてダッシュボードの中にシンセサイザーが取り付けられいたり、水素バイク(ENV hydrogen-powered motorbike)は「人工的な爆音」が鳴るようになっています。これまで嫌われ者だった爆音がいま再び求められているというのはなんだか不思議ですね。


3. スタジアムの歓声はブーストされている


米国のいくつかのチームでは対戦相手が不安になるように使われたりするそうですが、ほとんどの場合は、人工的な歓声を聞いた観客がさらに盛り上がったり、ノリノリになるきっかけが与えられるように使用されています。テレビの「笑い声」みたいなものかな。

もし大きなライブイベントやスポーツ観戦に行くときは、スピーカーから出されて音に注目してみると、音楽やアナウンスにうまーく紛れてちょっと違う歓声が聞こえてくるかも?


4. スカイプ通話の小さなノイズ


スカイプのような最近の通話システムはノイズリダクション機能を採用していますが、会話の間に訪れる完全な静寂が逆に「回線がが切れた?!」と誤解されるために、コンフォート・ノイズと呼ばれる気にならないほどの小さな人工音が敢えて鳴らされるようになっています。

このようなコンフォート・ノイズのコンセプトは今に始まったものではなく、1940年代レニングラード包囲戦の際にも、ソ連が自国の無線ネットワークがま だ有効なこと市民に知らせるためにメトロノームのビートを放送したり、現在でもラジオ局が「黙祷」の無音の時間に流したりと、いろんなところで実は使われ ています。

5. ATMのお札の音


fake_sounds_design-02すでに2000年に行われなくなったとかなんだとか、TwitterやEmailでツッコミが来ていたりするそうなのですが、ATMがお札を数えている「バサバサッ」という音は、人工的な音が付け加えられているとかいないとか...

元記事の方でも「もしATM製造の中の人いたら連絡を!」と呼びかけられていますが、さすがに機密が多そうなので名乗りでる人もそうそういなさそうですね。